退屈をあげる/坂本千明さん
作品は是非ともみなさんにも読んでいただきたいので
内容についてはあまり触れず、
読み終えて、素直に感じたことを。
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私は、今、保護した猫を4匹飼っている。
そのすべては仔猫の時に保護し、室内飼いをしているため、外の世界をほとんど知らない。
そして、本物の鳥、だけじゃなく、木の幹で爪を研いだ時の気持ち良さや、砂や土、草の上を歩いた時の感触や、さまざまな草花や葉が風に揺れる時に鳴る音や、季節ごとに変わる虫たちの声、など、を知らない。
なので、私は度々心のどこかで、これでいいのだろうか、彼らは本当に幸せなんだろうか、、、と、
申し訳なさというか、罪悪感のようなものを感じることがある。
前に飼っていた猫が、外で遊ぶコで、近くの公園の木に登ったり、家の庭の柵の上でごろんとしたり、
ご近所さんから名前を呼ばれて、なでなでしてもらったりして、
外、といっても、自分のテリトリーの中でだけれど、そこで出会うものや触れるものをめいいっぱい満喫し、楽しんでいるようにみえたから、、、余計に。
(車通りなどがほとんどない安全なところで暮らしていた。)
家の中に、とかげのしっぽがぽとりと落ちている、なんていうことも度々あったけど。
でも、猫4匹、大して広くもない我が家でも、猫用にと頑張ってDIYした空間を含め、
それぞれのお気に入りのスペースを見つけて、まあるくなって眠っているのを眺めていると、
その安心しきった様子を見ていると、
ああ、これでよかったのだ、(あのままもしも保護せずにもしも死んじゃってたら、今、はない、まずは生きていることが大切、だし、OKOK、、、)と、
彼らの頭をそれぞれ「ひと撫で」してまわりながら、そうやって自分に言い聞かせながら、
夕方のご飯催促大合唱までの静かな時の間、コーヒーを飲みながら仕事をしたりして、
でも、その合間にもちらちらと猫たちを眺める(そして時々顔をうずめたりもする)、それが、私のほとんどの日常なのですが。
私はもちろん幸せですが、
はてさて、猫たちは本当に幸せなんだろうか。